英語喉が聾の人達の発声、発音向上に効く。

これは、英語でも日本語でも同じだ。聾の人達は、音を頼りにできないのだから、スピーチセラピストの言うことを信じるしかない。だから、舌の位置にこだわる教育を受ける。結果、喉のほうのエネルギーというか、プッシュというか、喉の根本的な音が欠いたような発声になってしまう。

「神を見た気がする」と書いた。これはどういうことかというと、そもそも、なぜその近所に住む聾者の中学生が、耳が聞こえないと分かったかということだ。

ある日、エレベータに乗ったとき、一緒に乗ってきた近所の人達にハ~イと挨拶をしたのだ。すると、お母さんのような人が、自分の娘を指して、「ごめんなさいね。彼女は耳が不自由なの」と言ったのだ。

一瞬は意味が分からなかった。唐突すぎて。

つまり、お母さんは、私が、そこにいた皆に挨拶をしたのに、自分の娘が挨拶をしかえさなかったので、それで私が気分を害してはいけないと思って、そう言ったのだ。

ここに私は神を見た気がするのだ。言っておくが、私の信仰感は、一般的な日本人と同じだ。だから、何経がどうのこうのということを言うためにこれを書いているのではない。

つまり、、、

私が、朝の挨拶を、周りの人にした。これは、まあ、言葉で表すなら、善意?である。

そして、自分の娘が挨拶をしかえさなかった、誤解をあたえて、気分を害してはいけないと、お母さんが、その場で、この子は聞こえなかったんですと説明してくれた。

これは善意というか、まあ善意である。

人が持つ、他人を思いやる気持ちが、交差した瞬間に、私は、その少女が聾者であることを知ったのだ。

<そして、ジーナが前々から言っていること、それは、英語喉が日本人だけでなくて、全てのスピーチの問題に関わっているだろうということを思い出したのだ。>

善意と善意が交差した瞬間に、新しいきっかけが生まれたのだ。

次に神を見た瞬間は、私がその家族3人(お父さんが一緒だった)にたまたまエレベータで一緒になったときだ。ちょうど、私達は、1ヶ月でそこを引っ越す予定だったのだ。その時、私は、何かに押されるような形で、英語喉を説明した。

そして、「日本人は例えばLとRが苦手なんです」と言ったときに、聾の少女のお父さんの目が急に厳しくなり、「え?うちの娘もLとRが苦手です」と言ったのだ。

勘違いされると困るので、確認するが、この人達はアメリカ人だ。日本人ではない。少女は耳が不自由なのだけど、スピーチセラピストについて、舌の位置の練習をしてきていたのだ。

日本人の不得意なLとR。聾の少女の不得意なLとR。

私は、その時に神を見た気がしたのだ。

喉実践者のみなさん、その時の私の胸の鼓動を想像してほしい。

そして、奇跡はそれ以来、何度も何度も起こる。

いや、奇跡というのは、偶然ではない。ジーナが発見した事柄が、あたかも、アインシュタインが発見した相対性理論のように、真実であるからこそ、善意と善意のクロスセクションで奇跡とも思えることを引き起こすのではないか!

喉実践者の皆さん、日本は今大変な状態だ。まだ底が見えていない。これからどう立ちなおしていくのか。

この国が必要としているのは、個々の人達が教育を受け、HUMAN CAPITAL(人的資本)を引き上げることだと思う。その際、できるだけ、お金のかからない形で、引き上げる必要がある。貧乏だから、教育が受けられないということのないように。

そのためには、英語が誰でも聞ける、発音できるところまで持っていく。語彙や文法は後からついてくる。

さて、「神を見た」という大げさなテーマでここまで書いた。喉実践者の中には、またカズが大げさに言っていると思う人がいるかもしれない。だから以下のことを足す。

聾の少女をジーナが教えるときに、不得意な子音は?とお母さんに聞いて出た音は以下の通りだった。ジーナはその音をホワイトボードに書き出した。

W R L N

私はその音の組み合わせを見て、愕然とした、、、。それは5年ぐらい前か、出版前に、Rのセクションを執筆していたときである。ジーナが書く内容を言い、私がそれを忠実に翻訳するという作業だった。

ジーナが(英語喉の111ページを見て欲しい)

WEED READ LEAD NEED

を練習1として提案したのである。ここはRのセクションだ。LとRだけなら理解できるが、なぜWとNを一緒に練習する必要があるのか?それはWがRに発音位置で似ているからであり、LとNが舌の動かし方が似ているからだ。

それは5年以上も前のことだった。そして、目の前の聾の少女が不得意な子音として、お母さんが上げたのが、まったく同じ子音群だったのである。

W R L N

喉実践者の皆さん、もしあなたが私と一緒に現場に居合わせたら、私と同じで神を見たとおもっただろうか?

じゃ、今日も英語喉で復習しますか。以下はLとRの章を音声で解説。100ページのところを開けておいて、以下の録音を聞いてください。

<リンク切れになっています。どこかにはあると思うのですが、、>

www.estat.us/blog/LR_04_13_2011.mp3

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11 thoughts on “神を見た気がする+LとRの復習(英語喉110ページ)

  1. Masa says:

    今までにも、部分的には書かれてましたが、本当に素晴らしいお話ですね。
    世の中に、人生に、日常に、偶然なんてないですからね。
    すべての物理的現象が必然、つまり原因があって結果があるのに、人生の出来事だけが原因がないなんてないわけないですものね。
    かず先生とジーナ先生の人を慈しむスタンスと、その少女とご両親の現実に向き合う勇気という原因があってこそ生まれた結果だと思います。
    美しき必然です。

  2. 上川一秋 says:

    ありがとうございます。後で考えて、良かったなあと思うことが多いです。最初から、ボランティアをしようとか、いいことをしようと思ったというよりも、え?本当に発音が向上した!すれは素晴らしい!という感じです。

    日本人の英語学習者の場合は、私が経験した透明人間のような経験をしてほしくないという感覚があります。

    あと、やはり自分が経験している聞けて言えると変わってくる世界、社会を他人にも経験してほしいと思います。MASAさんが経験されているように。

  3. sin says:

    replyせずには居られぬ記事です。
    以前から聾唖者である女の子について書かれていましたが、今回初めて概要を知りました。
    聾唖の方は自身の発音にフィードバックを与えられないために課題は山積かと思います。ですが、英語喉を普遍的な前提として演繹的に推論を重ねていけばきっと道は開けると信じています。補助輪としての役割をKAZさんとジーナさんが今後も担っていくことを願います。

    さて、英語喉以前と以後のまとめ記事をアップいたしました。
    もしよければ見てみてください。
    (今回の件、私から言い出したにもかかわらず遅くなってしまいごめんなさい。大学の履修の関係で根をつめて作業をしなければならず、先ほどそちらが一段落したのですぐにアップしたという次第です。)

  4. 上川一秋 says:

    SINさん、コメントありがとう。今後も、研究を続けます。ジーナが中心でやってます。

    実際のところ、日本人よりも、聾唖の少女のほうが、教えやすい側面があります(私が横で見ていての感想です)。それは、そもそも、音に対する思い込みがないということだと思うのですけど、発音位置を変えるだけで、成功したりです。

    日本人の場合、発音位置を変えても、カタカナ発音に未練があるときがあり、試行錯誤がいります。

     喉前と喉後、聞きました。喉前はぶつぎり傾向がありますね。ご自分ではどうですか?

  5. sin says:

    発音位置を変えるというのはどのように伝えているのですか?
    彼女は音への思い込みがない代わりに、音とは何たるかもわからない状態のはずですから伝えるのは大変困難(というかほぼ不可能)かと思っていました。
    例えば蟻に3次元の世界を説明しても理解できないのと同じように、話が通じないという行き違いが起こってしまわないのかなぁなどと思案をめぐらせていました。

    英語喉以前の一個目の音声の方は思っているよりも喉でしゃべっていたんだなぁという印象です。
    二個目の音声はやたらに子音ばかりが聞こえてきて何を言っているのかわかりませんでした。その結果、ぶつぎりに聞こえざるを得ないのかもしれません。
    ただ、これでもネイティブらしく音は「つなげよう、つなげよう」と思って読んでいた記憶があります。それでも「ぶつぎり」に聞こえてしまうんですね。
    これが喉ひとつで大きく改善するのだから不思議です。

    質問なのですが、今回の英語喉以後の英語の発音水準で例えばアメリカ人と会話をしたら何%程度通じるものでしょうか?
    ほぼ問題なく通じるものでしょうか?
    以前は週2回ほどアメリカの方と会話をする機会があったのですが、今は全くないので実感としてどれだけ上達したのかがわかりません。

  6. 上川一秋 says:

    >発音位置を変えるというのはどのように伝えているのですか?

    私は横で見ているだけですが、ジーナが自分の顔とか喉を触らせたりして説明しています。

    >例えば蟻に3次元の世界を説明しても理解できないのと同じように、話が通じないという行き違いが起こってしまわないのかなぁなどと思案をめぐらせていました。

    これが驚きなのですけど、かえって耳の聞こえる日本人のほうが、聾唖の少女よりも、困難を覚えるように思います。このあたりは、またまとめて書いてみます。おもしろすぎる話題です。

    音声学者に喉発音を説明するのは、まさに、蟻に三次元の世界を教えるようなものです。でも、もともと聞こえていない聾唖の少女には、そうでもないです。

    >質問なのですが、今回の英語喉以後の英語の発音水準で例えばアメリカ人と会話をしたら何%程度通じるものでしょうか?

    昨日だったかちょっと聞いただけだけど、全部通じると思いますよ。聞きなおしてまた音声でコメントしますね。

  7. sin says:

    >これが驚きなのですけど、かえって耳の聞こえる日本人のほうが、聾唖の少女よりも、困難を覚えるように思います。このあたりは、またまとめて書いてみます。おもしろすぎる話題です。

    俄には信じがたいお話ですね。
    あまりにもおもしろすぎる話なので今後も経過を教えてくださると嬉しいです。

    >昨日だったかちょっと聞いただけだけど、全部通じると思いますよ。聞きなおしてまた音声でコメントしますね。

    はい、お願いします。
    毎度ありがとうございます。

  8. sin says:

    音声アドバイス大変ありがとうございます。
    またやる気がでました!

  9. tsuhete says:

    "サリバン先生"の成果と、大震災後の日本の英語教育の方向付けは、つながっていますね。「このままにはしておけない!故に、研究と工夫!」今後も関心を持ち続けますので、"続き"の記事をお願いします!

  10. 上川一秋 says:

    皆さん、どうもコメントありがとう。

    ぜひTWEETやBLOGでの引用などで応援御願いします。盛り上がれば、私は、きっと日本の、いや全世界の聾唖のかたがたに朗報が届くと信じています。

    私もできるだけノイズを出そうと思います。

    さて、私事ですが、昨晩、母と電話で話したんです。記事を読んでくれたあとで、「そういえば、喉でやればLとRがでるねえ」と。こら~、今気づいた(苦笑)。「我が子」が4年間、言ってるのに~。

    灯台もと暗しって、これ????

    産経新聞さんのお陰でやっと分かってもらえたという件でした。

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