会社の空手クラブに入門した。というか、入門コースで4回あり、よかったらクラブ員として残るという感じである。空手馬鹿一代というが、一日になる可能性が大である。

というのは、先生、いやセンセイが、以下の発言をして、かなり退いてしまった(精神的に)。

日本では一つのカタに3年は費やすべしといわれている、、、。

ちなみに、白人のアメリカ人の先生である。

NHK WORLDに出てくる精神論と同一のものがこのアメリカの空手クラブにあった。NHKの精神論というのは、茂木さんの番組のプロフェッショナルというやつで、最初はただ働きでがんばって会社(動物園)に入れてもらったとか、家にかえらずがんばったとか、そういうネタだ。誰がでてきても、一生懸命がんばった、がんばれというネタに終結する番組である。がんばっても成功しない人がたくさんいるのに。この景気の悪い時代に、職業的成功を個人の努力のみに還元するのは、迷惑な話だと思う。もちろんがんばるのはすばらしいが、「ただ働き」を美化するべきではない。

あ、ちょっと大げさになりすぎた。もちろん、まじめにやるけれども、このクラブでは楽しむことを大きな目的とするとセンセイは宣言した。

と言ってみたが、実際、なぜ一日で終わりそうかというと、痛いからだ。練習に慣れても、痛さになれるとは思えない。センセイが胸をこんなに打っても痛くないでしょ?という例で打ってきた一撃が3分ぐらい痛くて痛くてたまらなかった。また、こうやったら簡単に相手の手をかわせるでしょ?という練習が10回分、涙が出そうになるほど痛かった。

道場の前方には米国と日本の国旗がかざってある。

黒帯の先輩達(全員、当然アメリカ人)は、日本語を叫びながら練習している。

きをつけ!

なおれ!

おっス!

なんとなく、発音が日本語ネイティブっぽい。

なんと、アメリカ人がこれらの日本語を2ビートで絶叫しているのだ。完全な口発音とはいえないが、喉をやや緊張させたような絶叫で、2ビート発音をしている(口30%喉60%ぐらいだろうか)。

これはすごい、、、

掛け声も日本語だ。

いち、にー、さん、、、、

見事な2ビート発音だ。

ところがですよ。我々新入り(私以外はアメリカ人)に指導するとき、突然同じ言葉を3ビートで発音しだした、、、なんだあああああこれはあああ

例えばだが、カタという言葉を

KAT-TAH

みたいに発音している。 

あと、いろんな専門用語を3ビートで発音している。同じ言葉を道場生に対してハッスルときは、突然2ビートになっていた。

正座をするときに、黒帯組に対しては

SEI-ZA

と叫ぶが、我々新入りに対しては

SEIZ-ZA#

と説明する。(あ、相手によって変えるんじゃなくて、掛け声として使うときと、説明の用語として使うときで使いわけてるのかなあ、、もうちょっと観察がいるな)

これ面白い。一つには3ビートの人は2ビートができる、つまり両方できるということの例だ。

また教科書音声学派がナイーブに信じていること、ネイティブでも日本語を学ぶときに、なまりがとれない、、、ということの否定になる。アメリカ人の黒帯たちの掛け声には、いわゆる外人なまりがなかった。

空手教室での喉の旅は続く。我々新入りに対して、先生は3ビートで日本語を浴びせかけた。例えば、アリガトというのを、

AR-RIG-GAT-TO

というのだが最後のTOのところの母音がu_になっていた。OBAMA最後のAと同じだ。ネイティブは喉の定位置がゲップエリアなので、単語の最後の音をゲップエリアのu_で終わるのが非常に楽なのである。だからTO(ト)と終わるよりT-u_と終わるように発音してしまうのである。

センセイが私が日本人だと知って、発音間違ってたら指摘してくれと言ったが、先輩同士で日本語をさけんでいるときは、ほとんど完璧だ。アメリカ人の初心者を相手にするとナマリが登場する。(教科書音声学派よ。この点を理解してくれ。ナマリというのは、FIXEDされたものではないのだ。喉で喋るネイティブはどんなナマリでもまねできる、というかできるのである。)

センセイは礼の仕方や意味を教えてくれたが、ここまできて、アメリカ人に日本の伝統を教わるとはおもわんかった。

正座というのは難しいようだ。一人の新入りの人は正座ができなかった。正座ができない人がいるというのを知らなかった。

あとショックだったこと。ストレッチ運動をするときに、センセイが筋肉をリラックスさせよと指導した。

えええええ

知らなかった。

ストレッチってリラックスしてやるもんなん?

痛いから、思わず、力が入っていた。体育の先生からそんな指導を受けたことがない。

これって喉発音に似ている。誰もリラックスして発声するなんて指導を喉革命以前はしていなかった。

日本では見て学ぶという習慣があるが、リラックスしているかどうかというのは、外から見て分からないよねえ。だから見て学ぶ、見て盗むというのは、限界があるなあと思った。

またしても茂木さんのNHK番組のプロフェッショナルってので、お医者さんがでてきてたんだけど、そのセンセイがアメリカに何回も来て、血管にファイバーみたいなのを通すのを学んだんだって。で、それも見て盗んだと。説明じゃなくて。

え、それって英語が分からんかったってことじゃないのか、、、とつっこみを入れたくなった。

で、そのセンセイが日本のお医者さんを指導するんだけど、実践のテストがある。患者さんの心臓が、とまったんだけど、そのとき、先生は、口を出さずに、新米のお医者さんにまかせたわけ。もう少しで助け舟を出しそうになったけど、患者さんが持ち直した。

こわーーーと思った。でもNHKのプロフェッショナルは精神論の番組(がんばって、苦難を乗り越えたらプロになれるという毎回同じテーマ、、、「怠け者」は登場しないぞ、、、で他の番組と同じように女性のアシスタントさんが、茂木さんの横でうなずく、うなずきまくる、、、という構成)なので、そのこと(言葉をつかわず先生が見守ったこと)がものすごくすばらしいことのように描かれていたぞ。

こわああああ。人が死にかけとるのに。

目でみて盗むというのは限界がある。というのは、動いている動作だけ学べるということだから。喉発音というのは、喉のどこが動いているとかそういうことではないので。喉を閉めないということはいえるけど。

ところで、道着の首のあたりのソデ?みたいなとこをつかんで、相手の首を絞めることで、空気道や血管を閉鎖するという、かけているほうも気をうしなってしまうようなワザの練習をしたのだが、道着のことをセンセイはギーと発音していた。ギー?なんのこと?と思ったが、道着の「ぎ」をとって、服という意味で使っているわけだ。アメリカでは巻き寿司のことをMAKI(MAK-KIY)と呼ぶのだけど、それと同じ要領。日本人には分かりにくい。

空手クラブは一応入門編4回はやろうと思う。喉の旅の一貫として。

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2 thoughts on “空手馬鹿一代(いや1日?) 

  1. Kiyoshi Okumura says:

    この道場、私も体験できますか?大学時代ずっと空手をやっていまして、またはじめてみたいと思っていたところでした。流派は何流といっていましたか?Shotokan, Gouju, Wadoのどれかかと思いますが。

    喉と関係なくてすみません。

  2. NipponDream says:

    KIYOSHIさん、どうも、お久しぶりです。

    Shin Ki Tai Doという流派です。参加可能か聞いてみますね。66WESTのEXIT60付近です。DCからだと自動車で20分ぐらいです。

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