中田亮(オーサカ=モノレール)さんに、ご質問をいただきました。中田さんには、ご専門の歌唱の観点からも高く評価していただいています。
さて、「あいまい音は死んだ」という表現は私が10年ぐらい前にYOUTUBE上で発表した内容です。あいまい音はないという内容でした。
代わりに何があるかというと、英語喉の発音記号で言うと
i_
と
u_
ですが、特に後者が普通の意味では、これまであいまい音と呼ばれてきていると思います。
stationという単語の最後がSH-i_-NだったりSH-u_-Nだったりと、少し揺れがあります。それをとらえて、「あいまい」な音と呼ばれているのではないかなと思います。音自体が曖昧ということではなく、現れ方が曖昧なことがあるということです。
二つのことが言えると思います。
一つめは、ま、いわゆる「あいまい音」はだいたい
u_
だと考えるといいでしょう。例えば
aboutの最初のaはこのu_
です。従来の考え方では、このあいまい音はいわゆるアクセントのない場所で発生するということになっているのですが実際は、
cutもu_です。
従来の発音記号ではAを逆にしたような記号が使われていますが(三角帽子)、実際はu_です。
このあたりが、従来の音声学を勉強した人には受け入れにくい点かもしれませんが、英語が得意であった私は大学時代にアメリカ人に確認して
aboutのアもcutのアも同じであるということは把握していました。
この二つはのアは辞書では、全社はeがひっくり返ったような記号、後者は、繰り返しになりますが、三角帽子のような記号が使われています。
この二つは同じ音なのです。
自分に言わせれば、まだこの二つの音が違うと思って消耗しているの?って感じです。英語喉以前でも、自力でこの理解にいたっていましたので、同じことを言っていました。
たぶん、英語の発音に苦手意識があるかたは、辞書でこの発音記号が使われているから、どう発音するのかな?と発想すると思いますが、私自身は英語が得意だったので、アメリカ人はこう発音しているけど、辞書になんて書いてあるのかな?という感覚です。
もう一つのトピックとして、少しすでに触れましたが、i_だったりu_だったりするような、ゆらぎがあることがあります。stationの最後などです。
これはおそらくシュアの定義ではないかなと思います。昔仕事で音声学をアメリカにおけるリーディングに生かすというようなプロジェクトの評価をしましたが(統計学を使って検証)、そのときに、シュアの定義は、微妙に音が変わるみたいなことを同僚が言っていました。
確かにstationとかsatisfactionの最後で、i_だったり、u_だったりします。
ただし、これは、どっちでもありえるということ「あいまい」ということであり、音自体が曖昧ということではない、、のではないかと考えます。本件に関しては、面倒臭く意味がないので、いちいち文献で、そういうことなのかは確認していません。
最後にもう一度繰り返すと、いわゆる「あいまい音」と言うのは、あいまいな音ではありません。
i_かu_です。
ま、u_のほうだと考えるのが普通でしょう。
英語話者もあいまい音というかシュアの概念を使いますが、ま、一般のネイティブは知らない概念だと思います。
音声学関連の知識というのは、ま、そう考えられているとか、便宜上そういうことにしているということだと考えます。