米国でのキャリアの最終日に思ったことです。
なぜ今日が最終日だったかというと、今年は日本に本帰国するので、それで、退職をしました。午後6時ぐらいまで、引継ぎの最後の仕事がかかってしまいました。
自分は応用統計、実験、データ分析、プログラム評価が専門で、ずっと米国のコンサル会社に勤めていました。
今の会社はなんと13年ぐらいいました。
応用統計って大学院の時に聞いたときは、どういう意味かなと思っていましたが、、
統計学が専門だと、きっと、統計のモデルを開発したりするのだと思います。
それを実際に応用して使うのが応用統計学かと思います。
自分は社会学の博士号を取りましたが、大学院の時は、今のような厳密なメソッドとか、科学的な検証法は、まだまだデータ的に無理でした。2000年に博士号を取りましたが、教育の分野で実験が使われ始めたのが2000年ころからです。
教育の分野と言っても、色々あるのですが、私が言っているのは、教育政策とかカリキュラムとかの実験です。心理学は小規模で昔から実験をしていると思います。
学校レベルでのなんらかの改革モデルというか、プログラムが学生の学力向上や、大学進学を持つのか、、、ということが、実際の大きな実験をすることで効果を証明しようということで、これが本格的に始まったのが2000年ごろからなのです。
その波にのって、自分は仕事をしてきました。
もっと具体的に言うと、米国教育省がお金を出して、色々な教育プログラムの開発や発展・改良をサポートしだしたのですが、そのためには、効果の証明がいるのです。
最初に、自分が中心になったグラントがもらえたんです。すると、次のグラントももらえました。すると、会社のグループで、自分が、そのタイプのグラントのテクニカルな部分を担当して、皆と協力することになって、次のグラント、次のグラントと進んでいきました。
なぜかトランプ政権下ではグラントが全くもらえませんでした。そして、パンデミックになり、データが集められない状態が続いて、仕事がなくなり、パートタイムに3か月昇格したことがあります。
さて、教育プログラムの実験とは何か、、と言いますと、、
日本の例を挙げてみます。例えば、スーパーハイスクールとかいう制度があると思うのですが、その学校に行くと、生徒の学力が上がるのか?ということを検証できます。
ランダムに二つのグループをつくるのがとてもややこしくなります。どうしても、ランダムにできない場合は、それっぽくするメソッドもあります(Quasi-experimental Designと言って、マッチングを使います。)
2000年代から、どんどん、実験が主流になっていきました。
大学院のときには、統計モデルは使うのですが、デザイン自体が、実験的なものではなくて、とりあえず大きなデータを集めて、米国の教育の成果を理解するというものでした。できるかぎり、社会の平均が出せるように、ランダムにデータを集めるデザインにはなっていたと思います。
当時、米国の教育省と世界の色々な国々が教育して、中学生の教育データを集めていましたので、それを利用して研究をしていました。
しかし、実験という形をとっていないと、効果検証は厳密にはできません。
コンサル業界にはいってから、実験の専門家のようになりました。
実験というのは、例えばですが、高校生が大学に進学するために、高校生にメンタリングを施すというようなプログラムを開発している団体があって、何々州で、それを使うのだが、その効果を検証してほしいということで、私たちがその役目をします。
連邦政府や州政府が競争的ファンディングをくれるのですが、もらえた場合、その予算の10%ぐらいは、評価をする会社がもらいます。
ちなみに、自然科学では、メソッドとしての実験は、おそらく一番簡単な知識・スキルかもしれません。ただ単に、ランダムに二つのグループを作り、結果を見ればいいので、分析はおそらくエクセルでもできると思います。
学校を対象とした実験は、なかなか難しいのです。
自分は、博士号を出てから、ずっと、この業界にいるので、どんなプログラムであっても、スタディーデザインを考えて、それを実施して、データを集めて、分析して、結果を出すと言う仕事をしてきました。
今後は、英語喉や、様々な教育メソッド・実践の効果検証に自分の経験とスキルを使うつもりです。
もう一つ興味があるのは、私が持っているスキルはデータを分析したり、研究をデザインしたりすることですが、非常につぶしがきくスキルです。多くの人の役に立つかもしれません。
自分は数学は苦手だったのですけど、それでもキャリアとして統計分析をしてきたので、数学が苦手な人にでも、分かりやすく教えることができるのではないかなと思っています。
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