先週、広島についてすぐ次の日の晩に、近所で英語を教えておられるかたのお宅にお邪魔して、生徒さんを相手に英語喉模範授業をさせていただきました。結果は良かったと思います。さて、そのときに、まず最初は15分ぐらい先生と生徒さん、保護者さんとおしゃべりをしていたのですが、そのときの皆さんの口の開け方が英語によく似ていました。

あくまでも英語の発音授業を始める前、広島弁で世間話をしているときです。

顔がりラックスしていて、前歯が見えている状態、ちょっとかすかに笑ったような状態です。

この状態が外人とか、帰国子女と全く同じだったのです。

ところが、授業が始まると、きりっとなり、口先が閉じた感じになりました。これは、実は、顔に力が入りやすい状態で、発音の練習にはよくないのです。

日本人が人の話に集中するときの顔は、口先のほうに力が入るので、発音練習には向かない。

その理由ですが、例えばVとBで説明するとわかりやすいでしょう。

普通、日本人はVのほうが難しいと思っています。しかし、リラックスしたボケ顔状態ではBのほうが、すこし手間がいります。

Vだと、ボケ顔で、前歯が見えている状態で、喉をならし、その喉の響きが、口の外にストレートにでてくるようにします。口のほうは、ぼけ顔のままで、何もしないのが特徴。

Bだと、上唇と下唇を合わせないといけません。せっかく、上でVを出そうとしても、上唇と下唇がつくと、Bになります。

従来のやりかたでは、Vをはげしく唇付近の摩擦で出そうとしますが、力がはいるとBになってしまうので、逆効果ですし、そういう力みのいる体の動きは、無意識には実践できませんから、会話では使えないか、使えても、Vのたびに、緊張しないといけませんから、使い勝手が悪い。

さて、NHKの朝ドラマで「ごちそうさん」を見ていますが、ヒロインの女性が、演技中のほとんどは、口先をとがらせた感じになっています。

ところが、この同じかたが、インタビューなどでNHKに登場して、その瞬間話していないときは、前歯が見えるような感じの顔の保ち方になっています。

これが面白い。

英語を発音するときは、後者のような力を抜いたぼけ顔が大切なのです。

出っ歯ぎみのかた、歯並びが悪い方は、前歯を見せるのが苦手な人がいるかもしれませんが、英語を話すときは、堂々と出しちゃってください。たぶん、歯に自信のないかたは、わざと見せないようにしているかもしれませんが、練習のときは、ぼけ顔で、前歯をだしたまま。

ぜひ、その観点から、このNHKドラマをみてみると面白いと思います。

おそらく、日本人は人とコミュニケーションをしようとすると、口先に力がはいり、そうすることで、「私はあなたと話をしたいですよ」と表現するのではないでしょうか?ドラマ「ごちそうさん」のサイトはこちら。

https://www.nhk.or.jp/gochisosan/

私自身、仕事で会議中に、口を閉じて聞いていると、アメリカ人の同僚が私を見てくれにくいですが、口さきをだらしなく、ぽかんとしておいて、息の音をせきとめず、だらしなく流す感じにしておくと、アメリカ人が私のほうをよく見てくれます。

表現しにくいのですが、韓国人や日本人のなかには、ぴたっとものすごく静かな印象を与える人がいるように思いますが、その逆です。たぶん、息を鼻からだけされている感じなのかもしれません。

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