三羽さんのところで、「ネイティブに英語を習えばいいわけではない」という説が紹介されていた。ある先生の書籍からの引用ではあるが、もう何十年も前から言われていることだから、その先生がどうのこうのという話ではない。失礼になりたくないので、断っておく。
http://ahalfyear.blogspot.com/2009/09/blog-post_24.html
そういう言説に対しては括弧をつけておいてとらえる必要がある。つまり、とりあえずは聞きますが、まあ、深追いはしません、、、という態度が大切だ。
どういうことだろうか。
さっき、食堂を経営している韓国人のオジサンとしゃべっていたのだが、英語が全然通じない。ところが、あちらからは、ぺらぺらと色々英語が飛び出す。口発音+声が小さい、、、のでよくワカランのだ。GOOGLEの社長さんだったかが、英語の本を書いて、かなり売れていたが、確かアドバイスは自分のことか何かのネタを100個ぐらい覚えておいて、それをしゃべる、、、というやつだった。きっと、この韓国のおじさんも、お客さんにしゃべるネタを100個ぐらい覚えていて、それを繰り返しているのかもしれない。
そこで、英語喉の説明をしたのだが、これがそもそも全く通じない。ちょっとゆっくり説明したら、
いや、声というのは、人によって違うから、それが大切なわけではない、、、
と言い切った、、、と思う。とにかく、言っていることがよく分からない。
思うのだが、ご本人が英語ができないのであるからして、英語に関する意見は信頼性がない。
英語はネイティブから学ぶのがいいわけではない、、、というのも同じ感覚でとらえるのが無難であろうと思う。
英語が100%聞けて、しゃべれて、分かることがたくさんあるのだ。それができない場合に、色々と英語について語ると、色々な不備が生じてくる。
この韓国人のおじさんから考えると、英語が喉なんて、絶対にありえるわけがないのである。自分はアメリカに30年もいて苦労している。そんなよい話があるわけないのだ。
さて、ネイティブには英語の文法は分からないという考え方は間違っている。そういう神話はきまって、人からそう聞いたという話に基づいている。自分で体験した人だって、こんな感じだろう。
日本人:ねえ、XXXって文法的にどう?
ネイティブ:さあ、考えたこともないね。
日本人: あ、そう(やっぱりな)
つまり、この日本人はネイティブが考えたことがないというだけで、ネイティブには文法が分からないと決め付けてしまったのだ。時間だって3秒ぐらいだ。
しかし、ねばって、3日ぐらい考えてもらったらどうだろう。そうすれば、うまく説明に気がつくかもしれない。
英語喉は、共著者のジーナが全て発見し、教え方にしても開発をしたもので、私が考えたわけではない。しかし、私はいちおうねばったのだ。もちろん、相手がジーナだったから、正しい答えが得られたのではあるが。
会社で同僚に忙しいかと聞こうとして、「BUSY?」と質問すると、え?何?と全然通じないのである。それがなぜなのかを粘って聞いたら、ジーナが発見してくれたのである。
上の会話で、日本人がねばらないのは、自分にとって、そのほうが説明するのに都合がよいからではないだろうか?
ね、ネイティブも英語の文法が分からないんだよ!と。
というわけで、私は、英語が100%聞き取れなかったり、しゃべれない場合は、英語教育に関する発言に括弧をつけるべきだろうと思う。まずは聴き取れるようになり、発音できるようになってから、色々と考え直すのがよいのではないかと思う。
とりあえずは機関銃英語で聞けるようになってほしい。
言語の構造を理解するのが大切だというが、じゃ、英語がしゃべれる?聞けるとなると話が違う。また子供がちょこっとアメリカに住んだだけで、英語が喋れるようになるというのも説明がつかない。
しゃべれるようになるのに、実際上、本に書いてある文法を細かく理解する必要はない。実際に使いながら、ルールを自分でとりいれ、頭にしみこます必要はある。
いい加減でよいということではない。本に書いてある文法は不正確であり、しゃべるための文法ではない、、、ととりあえず言っておく。
私がやっているSASプログラミングと一緒だ。SASとは統計分析のソフトウェアでプログラミング言語だ。SASの解説書をたくさんもっているが、全然よまない。例をちょこっとコピーして、やってみる。SASでエラーがでれば、ちょこっと変えてみる。やっているうちに(SASと対話しているうちに)おおまかな構造が頭のなかでピンときて、構築される。
そもそも、日本人はネイティブから直接英語を教えてもらうことは少ないのだから、ネイティブから教えてもらえばよいわけではない、、と心配する必要もないのだが。
思うに、英語を必要以上に複雑なものと神秘化するべきではないと思う。非常に簡単な言語だ。喉で発音して、3ビートをやっていれば、ルールは分かるようになる。もちろん中学レベルの文法ぐらいはやるとよい。が、その後は、積極的に、使うこと。
あ、これが大切。本で覚えたものを使う、という感覚はだめ。ネイティブが使っている表現を元にしながら、覚えていく。ノートを用意するのもよいだろう。今日は、こんな表現を聞いたぞ、、、と。
まずは文法を勉強しようという考えはだから間違っている。ちょこっと文法をやって、あとは、実際の環境に踏み入れということだ。
それこそがIMMERSIONというやつだ。
たしかに受験英語に関しては、ネイティブに聞いても無理だろう。築き上げられた言説体系なのだから。友人が、センター試験の模擬をつくっているが、文章中で強く読む位置を問う質問のつくりかたが分からないと、相談を受けたことを思い出す。あれは、「言説」が勝手に大切なところを強く読むと決め付けてしまったから、可能となった試験問題だ。言説形成というものの一番の例だ。その内部にいるものにしか通用しない。
THEの説明も良い例である。教育の言説はなんらかの理由で母音の前だとジと読むと決めてしまったのである。実際は違うのだが、もう手遅れだ。指摘しても、ネイティブは文法をきちんと知らないからだと思い込んでしまう。