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冠詞のAとか定冠詞のTHE
私もおもわずそう思ってしまっていたが、英語のAとかTHEはそんなに大切ではない、、、とおもって英語を喋っている人が多いと思う。A PENとかTHE PENが例だ。 そもそも短いし、また従来の発音の本を見ると、AとかTHEにくる母音は「曖昧音」という名前がついていて、弱く発音してください、、、と書いてある(弱く読んだら聞こえない、、、というつっこみは今回はしない。) AとかTHEが抜けて喋ってしまうと、やっぱりまずいらしい。会話の内容がしっかりつたわりにくくなるようだ(どんな具合に、、、というのは今回は省く)。 3ビートの観点からいうと、AとかTHEはきっちりシラブルを構成できるし、それを知らずに聞いていると、聞き取れない。 以下に例を挙げてみる(発音記号は適当)。 This is a pen --> this-sis-zap-pen 3ビートを期待して聞いていないと、え、今のZAP何?となる。 this-sis-#a#-pen だったらダメというわけではない。なんらかの理由でaを強調することはOKだ。 3ビートがものすごいと思うのは、無意識にできるようになる、聞けるようになる点だ。 無意識にって? 例えば、生まれて言った事のないような文章でも、自然と練習なしに3ビートができるようになる(3ビート習得のための練習はいるが、その特定の文章を読むリハーサルがいらないということ)。理屈をいうと、 1)母音がシラブルの真ん中に来る、、、というのは勘で制御できるようになる 2)喉をだらーんとさせておくと、勝手に子音のコピーが起こる。 生まれて私が一度も言った事のない文章でも、リハーサルなしで3ビートができるということを示せばいいだろう。また3ビートの練習は英語でやる必要は必ずしもない。日本語でもいい。 http://www.estat.us/blog/oct31_2007.wav なぜ、上のこと、特に「無意識でもできるようになる」という点を強調したのか。従来のやりかたでは、よく口を大きく開けるとか、舌をこの位置におくとか、イントネーションをこうする、アクセントはここにおく、、、と色々あるが、これらの項目は、無意識にできるようにならない。実践するならば、いつも意識におかないといけないが、これらの複数のことを意識して実践するのは、不可能に近いし、実践したとしても、考えながら喋ることが不可能になる。 例えば上の録音でWとRのときに、絶対に唇を丸めてくれといわれると、非常に困る。リハーサルが10回ぐらいいるだろう。
ご質問 日本の地名を英語ネイティブはどう読む?
http://www.nippondream.com/tips.htm#chimei ご質問 日本の地名を英語ネイティブはどう読む? Sさん (10月27日) とてもすばらしいご質問です。ネイティブはネイティブで、どのように英語が日本語(外来語)になるのかについて考えることがありますが、その日本版ですね。例えば、SWEATERが、スウェーターでなくて、なぜセーターなんだろう、、、と(前者のほうがどちらかというと原音に近いのに)。 ところで、ちょっと寄り道をしますと、私(JEANA)は昔から上に書いたような疑問を持っており、日本人がどのように英語を聞いているか、認知しているか、、、を考えていたことが、ネイティブメソッドの発見につながる一つのルートになったと、感じています。 なぜ日本人はTで終わる英単語を「ト」とするのか、、、と。例えば、CARTはカートとなりますが、実際は、カータとしたほうが、原音に近いのに。あるいはMで終わる単語、例えばTIMEをタイムとしますが、英語ネイティブの耳にとってはタイマと言ってくれたほうが、原音に近い、、、と(特にマのところを弱くよむなら、、、ちょっとイタリア語っぽくなりますが)。 なんらかの理由で終わる英単語の終わりにくる子音を、Oとか(例は省きますがU)を聞いてしまう傾向があるようです。なんらかのDEFAULT的な認知の仕方があるようです。 注 DEFAULTとは、学習者にとっては最も自然、楽で、快適な状態を指します。 さて、ご質問に戻ってきますが、英語ネイティブにも、外国の単語、ここでは日本語を処理するときの、DEFAULT的な処理の仕方があります。 日本の地名をどう読むかですが、比較的、システマティックです。ただし、以下のことを理解するためには、学習者自体が、喉発音を理解し、喉の定位置をゲップエリアにしておく必要があります。定位置がゲップエリアになっており、個々の発音の喉発音位置を正しく発音していると、以下のことが理解できますし、また自然と、英語ネイティブ(ここではアメリカ人)の読みがちな読み方になります。 例えば、KAGOSHIMAをどう読むでしょうか?KAのところだけに注目してみます。可能性としては、色々ありますが、二つだけあげると、 K-a_-G/G-O-SH/SH-I-M/Ma_ (こっちがアメリカ標準) K-A-G/G-O-SH/SH-I-M/Ma_ 喉と3ビートをマスターしておれば、最初のほう(a_)を楽に感じるでしょう。楽に感じる理由は、喉の定位置がゲップエリアであること、KとGの音が持つ色々な特徴がからみあい理由を作り出しています。 (最後のMa_がMAでなくてMa_なのも、喉の定位置がゲップなので、ゲップエリア発音である音で終わるのが、一番楽なのです。) 「刺身(さしみ)」はどうでしょうか?アメリカ発音の喉、そして3ビートがマスターできたうえで、次の両方の発音をトライしてみると、様々な要因がからまって、後者のほうが楽に発音できます。 S-A-SH/SH-I-M/MI S-u_-SH/SH-I-M/MI (こっちがアメリカ標準) ただし、上にあげた例はアメリカ標準英語の場合です。それ以外の英語の場合(例 イギリス英語、オーストラリア英語)、喉発音の定位置がゲップエリアであることは変わりませんが、個々の音の喉発音位置が違っています。したがって、「楽に感じるかどうか」の方程式が変わりますので、読み方が違ってきます。 補足 上のことは、日本語を勉強していない英語ネイティブが日本語を(英語として喋っているときに)どう読むかという問題です。
知識の考古学
一体、いつ、英語では単語によって強く読む場所があるという「言説」が誕生したのだろう。私は、この10年のうちに誕生したのではないかという仮説を持っている。 確かに、昔から試験では問われていた問題である。会話文をあたえられ、ある文に線が引かれる。そして、どの単語が強調されるかが問われる。 受験生は、そういう問題は、姿を変えた読解問題だということを体験的に知っていた。実際、そういう問題を解くさいは、前後(というか前)の意味を理解したうえで、どの単語が、その文で一番大切かを考える。すると答えがでる。だが、まさか、本当に、英会話において、その単語を強く読むという発想は受験生でもなかったと思う。 私は中学のときからいわば英語オタクだった。中1のときから、ラジオ講座を聞いていた。大学時代は、英文科だったので、音声学の教科書も読んだし、暗記もした。学部の交換留学をしたときは、言語学の授業を熱心にとった。クラブ活動でESSをやっていたから、英語を勉強している学生の中にいた。 ところが、「文のなかに強く読む単語と弱く単語がある」という発想を一度も聞いたことがなかった。はじめて出くわしたのは、数年前、発音学習系のサイトを見たときだ。またそれをきっかけに、いくつか発音関係の本を読んだ。どれを読んでも、強く読む単語と弱く読む単語がある、、、ということだった。 この発想は90年代、あるいは今世紀に入って、形成された言説ではなかろうか。日本に住んでいないので、昔の英語発音の教材を調べることができない。 そういうことはある。歴史のある時点で突然新しいことが言われだす。なぜそういう言説が起こったのか、社会的要因は何か? こういうことを研究することもできる。知識の考古学である。