October 2007
ご質問 日本の地名を英語ネイティブはどう読む?
http://www.nippondream.com/tips.htm#chimei ご質問 日本の地名を英語ネイティブはどう読む? Sさん (10月27日) とてもすばらしいご質問です。ネイティブはネイティブで、どのように英語が日本語(外来語)になるのかについて考えることがありますが、その日本版ですね。例えば、SWEATERが、スウェーターでなくて、なぜセーターなんだろう、、、と(前者のほうがどちらかというと原音に近いのに)。 ところで、ちょっと寄り道をしますと、私(JEANA)は昔から上に書いたような疑問を持っており、日本人がどのように英語を聞いているか、認知しているか、、、を考えていたことが、ネイティブメソッドの発見につながる一つのルートになったと、感じています。 なぜ日本人はTで終わる英単語を「ト」とするのか、、、と。例えば、CARTはカートとなりますが、実際は、カータとしたほうが、原音に近いのに。あるいはMで終わる単語、例えばTIMEをタイムとしますが、英語ネイティブの耳にとってはタイマと言ってくれたほうが、原音に近い、、、と(特にマのところを弱くよむなら、、、ちょっとイタリア語っぽくなりますが)。 なんらかの理由で終わる英単語の終わりにくる子音を、Oとか(例は省きますがU)を聞いてしまう傾向があるようです。なんらかのDEFAULT的な認知の仕方があるようです。 注 DEFAULTとは、学習者にとっては最も自然、楽で、快適な状態を指します。 さて、ご質問に戻ってきますが、英語ネイティブにも、外国の単語、ここでは日本語を処理するときの、DEFAULT的な処理の仕方があります。 日本の地名をどう読むかですが、比較的、システマティックです。ただし、以下のことを理解するためには、学習者自体が、喉発音を理解し、喉の定位置をゲップエリアにしておく必要があります。定位置がゲップエリアになっており、個々の発音の喉発音位置を正しく発音していると、以下のことが理解できますし、また自然と、英語ネイティブ(ここではアメリカ人)の読みがちな読み方になります。 例えば、KAGOSHIMAをどう読むでしょうか?KAのところだけに注目してみます。可能性としては、色々ありますが、二つだけあげると、 K-a_-G/G-O-SH/SH-I-M/Ma_ (こっちがアメリカ標準) K-A-G/G-O-SH/SH-I-M/Ma_ 喉と3ビートをマスターしておれば、最初のほう(a_)を楽に感じるでしょう。楽に感じる理由は、喉の定位置がゲップエリアであること、KとGの音が持つ色々な特徴がからみあい理由を作り出しています。 (最後のMa_がMAでなくてMa_なのも、喉の定位置がゲップなので、ゲップエリア発音である音で終わるのが、一番楽なのです。) 「刺身(さしみ)」はどうでしょうか?アメリカ発音の喉、そして3ビートがマスターできたうえで、次の両方の発音をトライしてみると、様々な要因がからまって、後者のほうが楽に発音できます。 S-A-SH/SH-I-M/MI S-u_-SH/SH-I-M/MI (こっちがアメリカ標準) ただし、上にあげた例はアメリカ標準英語の場合です。それ以外の英語の場合(例 イギリス英語、オーストラリア英語)、喉発音の定位置がゲップエリアであることは変わりませんが、個々の音の喉発音位置が違っています。したがって、「楽に感じるかどうか」の方程式が変わりますので、読み方が違ってきます。 補足 上のことは、日本語を勉強していない英語ネイティブが日本語を(英語として喋っているときに)どう読むかという問題です。
知識の考古学
一体、いつ、英語では単語によって強く読む場所があるという「言説」が誕生したのだろう。私は、この10年のうちに誕生したのではないかという仮説を持っている。 確かに、昔から試験では問われていた問題である。会話文をあたえられ、ある文に線が引かれる。そして、どの単語が強調されるかが問われる。 受験生は、そういう問題は、姿を変えた読解問題だということを体験的に知っていた。実際、そういう問題を解くさいは、前後(というか前)の意味を理解したうえで、どの単語が、その文で一番大切かを考える。すると答えがでる。だが、まさか、本当に、英会話において、その単語を強く読むという発想は受験生でもなかったと思う。 私は中学のときからいわば英語オタクだった。中1のときから、ラジオ講座を聞いていた。大学時代は、英文科だったので、音声学の教科書も読んだし、暗記もした。学部の交換留学をしたときは、言語学の授業を熱心にとった。クラブ活動でESSをやっていたから、英語を勉強している学生の中にいた。 ところが、「文のなかに強く読む単語と弱く単語がある」という発想を一度も聞いたことがなかった。はじめて出くわしたのは、数年前、発音学習系のサイトを見たときだ。またそれをきっかけに、いくつか発音関係の本を読んだ。どれを読んでも、強く読む単語と弱く読む単語がある、、、ということだった。 この発想は90年代、あるいは今世紀に入って、形成された言説ではなかろうか。日本に住んでいないので、昔の英語発音の教材を調べることができない。 そういうことはある。歴史のある時点で突然新しいことが言われだす。なぜそういう言説が起こったのか、社会的要因は何か? こういうことを研究することもできる。知識の考古学である。
なぜ知っている単語でも、聞き取れなかったのか(過去形 喉革命以前)
西洋人が「すし」という単語を知っていて、「好きです」という単語をしっていれば、「すしがすきです」という文章を難なく聞き取ることができる。 ところが日本人は単語は分かっていても、文章となり、聞き取りとなると、聞き取れなくなる。耳に音として入って来ないのだ。 これは3ビートのせいである。 例えばである。ISという単語は誰でもしっているはずだ。ところが主語がKAZかKENで、ISの聞こえ方が、喉革命を経験していない日本人には、変わってくるのだ。 KAZ IS、、、 だと、KAZ-ZISとなる。 KEN IS、、、だと、KEN-NIZとなる。 子音が前のシラブル(KAZあるいはKEN)から借りてこられコピーされるのだ。ZIZとNIZでは、全然違うのだから、ISを期待して聞いている耳には、聞こえてこない。 ところが、3ビートを知ると、耳が3ビートを期待して音を聞くようになる。もちろん発音するときも、3ビートで喋るから、3ビートを期待しているネイティブにも通じる。 聞けて言える、言えて聞けるという状態のなかで、どんどん英語を喋れば、ものすごいスピードで英語ができるようになるのだ。 ヨーロッパ言語の話者は、自分たちの言葉を喋るときでさえ3ビートなので、英語を勉強するときに上のことを知る必要はない。 英語だけではない。英語喉を通過すると、他の言語、例えばフランス語、ロシア語などでも、意味は分からなくても、ある程度の正確さをもって、言われたことが繰り返せるようになる(書けといわれれば、書ける感じ)。