July 2009
東京国際ブックフェア 三修社さんのブースは西1ホール2-32
三修社さんのサイトに、東京ブックフェアの案内がありましたので、ご紹介します。なんと、三修社さんのブースでは、本の割引販売があるそうです(私の目が確かかな、20%引き?)。この日曜日までだそうです。場所は東京ビッグサイトというところらしいです。こちらをご覧ください。 http://www.sanshusha.co.jp/np/info.do
「遠方より」
天満さんのセミナー(兵庫県)に、長野県からはるばる参加されたかたがいるらしい。そういえば、山口大学の喉レクチャーでは、島根県から駆けつけてくれたかたがいた。 長野県ーー>兵庫県 島根県ーー>山口県 という流れが非常に面白い。頼もしい? 今までの文化パターンといえば、決まって 東京ーー>地方 だった。 喉を応援してくださっている実践者の皆さんは、日本全国に散在しているのが、非常に頼もしい。7月25日(土曜日)は喉セミナーを開くが(定員達しました)、東海岸のある都市より3人の参加がある。8月1日は、たまたま南部のほうから引っ越していらっしゃるかた二人が参加される(定員まであと3名)。遠くから来ていただくが、確実に結果は出しますので、ご心配なく。 山口に行って思ったのだが(4月に山口大学で講演させていただいたので)、革命というのは、地方からしか起こりえないのではなかろうか。そういえば、革命の歴史家のバリントンムーアだったか、様々の国の革命を研究し、つねに、辺境のあたりが爆発するというようなことを書いていたような、書いていなかったような。それは中央の権力の届かないところにあるからということだった、、、と思う。
わが国の教育にはメソッドがないのか?研究はある?
仕事で、「読み」を教える教育の評価研究論文(アメリカのもの)を、かなり読んでいる。80年代ぐらいからの論文をたくさん読むのだが、その研究の多様さ、量の多さに驚かされる。例えばだが、文の箇所を括弧にしておいて、その中に何が入るかを想像させるという教え方があれば(CLOZEと呼ぶ)、それが実際に生徒の読む力につながるのか?という研究論文がある。実験をつかって実証し、効果がなければなし、あればありと結論づけるのだ。私は統計とか実験を専門としているので、メソッドに問題がないかとかをチェックして、その研究に信憑性があるかを評価している[具体的にはこれをやっている http://ies.ed.gov/ncee/wwc/)。 日本にも、そういうのはあるのかな?いや、ないような気がする。国語の時間に何かメソッドを使ったというような記憶がない。そもそも、国語の時間に何をしたか?という記憶がない。 なぜにないのか?教科書があって、国全体で統一してやっていると、どうやって教えるかというメソッドが育ちにくいのだろうか? 論文(アメリカのもの)をたくさん読んでいると発達心理学の理論を応用したような教え方を実際に試し、その効果を統計的に数値化している。そんな論文が山のようにある。あ、そういえば、そういう実験を実際にやったこともあった。これは、教師が受ける研修が、生徒の学力に影響を与えるかという実験だ。 http://www.mdrc.org/publications/499/overview.html さて、こういうことを思い出したのは、先日、英語教育学の先生達が小学校での英語教育導入を批判して、「早めに教えれば効果があるという証拠がない」と書いていたからだ。実際、そういう研究の蓄積があるのだろうか? 「小学校での英語教科に反対する要望書」http://www.otsu.icl.keio.ac.jp/eigo/kosaka.pdf 文科省としては、そういう発言にびっくりしているのではないか?だって、言語を学ぶ上で臨界期、つまりこの年齢以上となると習得が難しいと言っていたのは、応用言語学者であるからだ。急に、証拠がないと言われて、えーー?とびっくりしているのではないだろうか? そういう意味でも、英語教育学者は、年齢と言語習得に関する研究の知見(国内のもの)を大いに、我々に伝えるべきであろう。例えば、小学校の学年別に同じ英語の授業をする。そして結果を見る。そうすれば、年齢、学年と語学の習得の関係が分かるはずである。リスニングの能力などの結果があれば面白い。あるいは、1年生レベルであれば、本人が喉で日本語をしゃべっているか(甘えたような声)、口でしゃべっているかも考察すると面白いだろう。 すでにそういう研究はあるはずなので、ぜひ紹介を願いたい。 証拠がないのか?研究がないのか?研究はあるはずだと思う。どう考えても。だって、小学校英語導入がさわがれて時間がたっているのだから、テーマとして大切なものはデータが集められ、経験研究がされているはずである。 ありゃ、もう一回読んでみたらこう書いてあった。(「小学校での英語教科に反対する要望書」より) 「日本における英語学習のような外国語環境における学習に関する括弧たる理論やデータは存在しません。」 はあ?研究してないの???? 文部科学省も委託研究とかで学者に頼んでないといけないよね。国立教育研究所とかもあるし。