SETさんの質問 Sは本当に喉発音?
昨日のBLOGにSETさんがとてもよい質問をしてくれた。そこで、返答を書いておいたので参考にしてみてください。 http://nippondream.com/estatus/wordpress/?p=89#comments で、Sはそんなに気にしなくても、、、という気がするのだけど、やはり喉発音しておかないと困ることがある。というか、まあ、他の音を喉発音していて、ゲップエリアが喉発音になっていれば、自然とSも喉発音になるので、それほど心配することはない、、、が、当然、喉本でSのところを勉強しているとき、単体としてSが、あー喉だなあ、、、と実感できていれば、その後のレッスンに進みやすい。 他にもHだとかあるから。 Sが喉発音だと実感しにくい理由はSETさんへのコメントで書いたのだが(上のURL)、引用しておく: 確かに、口発音のSの音と喉発音のSの音は、どうしても似て聞こえることがあります。Sはさすがに風の音っぽいですから。無振動音なので。また喉には穴が(あたりまえですが)横や縦には開いていなくて、音は口を通じて出てくるわけです。口は耳に近いですから、どうしても口で響いているように聞こえます。(改行)また10%ぐらいは口で響いていますから、特にSは微妙になります。喉で90%響いている音よりも、口で10%響いている音のほうがかえって大きく聞こえたりします(口が、聞いている人の耳に近いという理由で)。(改行)ですから、実践上は、自分の体の中、喉の中でSは喉で響いているという感覚があれば、OKということにしてみてください。 響いている、、、と書いたけど、厳密には無振動音なので、響くという言葉は問題があるかもしれないです。だからアクビポップ(非常に微妙)が感じられるかどうかを基準にしてください。 、、、と書いたあと、思ったことがある。というか気づいたことがある(SETさん質問ありがとう)。やっぱりSが口発音のままだと困る、、、ということだ。特にグループ子音にSが現れるとき。で、音声で示してみるが、例えばSTREETという単語があるとする。この最初のSを口発音してしまうと、STRという子音のつながりをスムーズに、一塊としていうことができない。あるいは、ものすごく変わった名前かもしれないが(勝手につくってしまうが)、TSUという犬の名前があるとする。で飼い主は、この発音を正確にT,S,Uと呼んでくれ、と頑固に主張しているとする。 SからTなど、その他の子音への移行をスムーズにするには、やはりSを喉で発音しておかないと難しい。でも、繰り返すが、ゲップエリアを定位置にできていれば、自然とそうなることだ。というのは、他の音は喉で、Sだけ口、、、というのはかえって難しいからだ。 参考の音声 http://www.nippondream.com/blog/street.wav グループ子音ってのは、喉でやるからこそ、すながって発音できるんです。これができないと子音がつながるときに、シラブルをうまくつくれなくなる。STREETって1シラブルなんだけど、喉でやらないと口発音=カタカナ発音になるから、5シラブルぐらいに膨れ上がってしまう。その段階で、Rの発音が正しいとかそういうレベルじゃないレベルでもともとの単語の意味が破壊しまうのです。 上を録音し書いたあとで、SPRINGのほうが分かりやすいなあ、、、と思ったので、再度録音(あ、ごめん、SPRINGのIがi_か Iか確かめないまま録音してしまった、、、i_で言ってしまっているけど、たぶんIが正しい。これ確認しときます、、、誤解を招くかもしれないんだけど、英語喉をやったあとは、これまで覚えていたことが99%違っていたりするから、音と単語の覚えなおしの旅が始まるのです。ゆったりと。究極的には実際に音をきいたり、ネイティブに確認したりして、覚えなおす、、、と。少なくとも私たちの世代は。)。 http://www.nippondream.com/blog/spring.wav 日本語でいうと、「おじさん」を「おーじさん」と読むともともとの意味が破壊されてしまうのと同じ理屈です。 Sの喉発音と口発音の違いというのは、わかりにくいところがあると思うので、できているかどうかは、 1)自分で感じるかどうか(喉がリラックスして、微妙なポップを感じるかどうか) 2)グループ子音の発音をスムーズにできているかどうか で判断するのが良いと思います。実際、私自身も、口発音と喉発音のSを聞かされてどっちがどっちかと言われる、、、と比較したら分かるけど、単体で聞かされたら、ちょっと迷うかも。口発音のほうは単体でもわかるけど、喉発音のほうだけ聞かされたら、「すまんけどもう片方のも聞かせてくれる?」と頼みたくなると思う。というのは喉発音の場合も口が10%ぐらいは活躍しているのだから、まぎらわしい。
喉マニフェスト
英語喉は、発音と聞き取りの本であるが、実は単なる発音の本ではない。喉と3ビートを通過した学習者は、英語学習に関して新しい地平に立つことができる。 どういうことだろうか。 英語を外国語とする外国人が誰もがやっていることだが、英語を聞いて繰り返すなかで、英語の規則性に関して考え、その規則性に慣れてくるうちに英会話ができるようになるのである。もちろんテキストでもって文法を勉強をすることがはじめるのが世界の教育システムの中では普通だが、会話ができるようになるには、上のようなプロセスで上達するのだ。 もちろん簡単ではないし、練習がいる。が、やればできるようになるやり方だ。 これまで日本人がやってきたアプローチと違う点に注目してほしい。日本人は語彙を覚えたり、本を読んだり、熟語や表現を暗記することで会話に望んだ。 会話自体から、独自の力で法則性を導き出すことで、会話力をつけるという観点はあまりなかった。 聞いて発音できれば、会話に望むことができる。会話というのはデータみたいなもんだ。そのデータを聞き取りながら、「へー、HEやSHEのときは動詞にSがつくんだな」とか確認しながら、また発見しながら会話を学んでいく。 聞ける、言えるができるからこそ、この世界で誰もが用いている会話上達法を使えるようになるのである。 これまで日本人は会話のための練習(前準備)をしすぎたのではないだろうか。会話は会話をしながら学ぶのが一番だ。 まわりに英会話ができる環境はないだろうか。地元のJETスタッフとか。
喉だけを、喉だけを、、、
どの音も喉なんです。だから、この音は英語喉を試すけど、この音は音声学のこの説明を試そう、、、とういことだとだめなんです。だって、例えばですが、HAMという単語があるとする。HはXXXの説明、Aは英語喉、Mは音声学にそって鼻音として発音する、、、とやると、Aのとこは正しい発音ができるけど、あとは近似値発音になってしまう。Mのところで鼻から息をぬこうとすると、そこで英語がカタカナ英語にもどってしまうんです。 (独り言:Mが鼻音っていわれとるんは、そりゃあ、口閉じる音じゃけえ、息がどっかにぬけんにゃあいけんけえ、息が鼻のほうに、よけい[=a lot]行くような気がするだけじゃろう。おおげさにやるんじゃったら。でも、普通のスピードでしゃべりょーたら、唇をあわせんでも平気でM発音しとるけどねえ。特にスマイルしながらしゃべっとったり、歯がちょっと前に出とったりしたら。) 決して精神論ではありません。鼻やら、舌やらに集中すると、喉発音じゃなくなってしまうんです。関心が喉からずれちゃうから。だって、鼻に息を流そうとがんばると、鼻って、喉からものすごく遠い位置にあるから、喉発音が浅くなってしまう。舌をどうのこうのしようとすると、喉発音に気がいかなくなってしまうだけじゃない。舌が硬くなってしまって出せる音が出せない。例えば、ぶるぶる凧とか無理、無理。舌が硬いと。 口の中で音を響かせる位置がどうのこうのというのは、結局、舌を硬くしたり、舌と口の屋根の間の距離をせばめたりするから、響く位置が変わっている、、、という気分になるだけで、究極的にはアがイになったりしないんです(例えば、口の前のほうでアが響いていると感じるのは、舌の後方をもりあげたり、硬くしているから)。音がこもったりするから、音が変わったような気分になるだけです。そもそも、ネイティブの舌はそんなにアクロバティックに動いていないですよ。ジェシカシンプソンさんが歌うのを見ていたら、舌はどてーと寝そべったままです。 口を大きくあけたままでも当然喋れる英語ですが、大きく開けたまま、舌はどてーっと横たえたまま(ジェシカシンプソンさんみたいに)で、それでも響く位置を口の中でコントロールできるとしたら、それは、魔術師ですよ。もちろん、喉でならできますよ。口を大きくあけていようと、ちいさくあけていようと。 あと、口の屋根に舌をつける、、、という言い方は便宜的にするけど、結構、すでについている、、、というのもありますね(今、こうして書きながらふと考えると、舌は口の屋根にすでについとるけん、、、筋肉を鍛える必要なーじゃろ?じゃろ?でも、こげーなこというのタブーかもしれん。)。 だから英語喉アプローチを全ての音に使ってくださいね!一部の音じゃなくて。 きっと分かってもらえます。実際に英会話で実践可能なのは喉だけなので。話し始めると鼻音だとか、円唇だとかかまってられないですから。 英語喉を多くのアプローチにまぜてつかってらっしゃるかたは、まだ口の中で考えているのじゃないのかなあ、、、と思う。基本は口の動かし方で、喉は響かせるための2次的な存在、、、みたいな。じゃないんですよ。喉が中心なんです。喉に声帯があるんです。口には声帯はありません(口は出口ではありますし、確かに、音の最終仕上げのようなことはしますが、、、)。口で音を出して、それを喉にもっていって響かせる、、、というイメージで考えてらっしゃるような気がします。じゃなくて、喉で音を出すわけですが、その場で響きやら音の質やらが90%ぐらいは決定されているのです。 もし喉が単なる響き板だったら、カラオケのマイクでエコーをかければいいわけだけど、そうしても発音が正しくなるわけではないですね。 日本人のイメージで「口で喋る」という感覚が強いけど、口には声帯がない、、、ということを思い出してください。口は音の最終仕上げ、、、であって、核ではないようです。 日本人に「おうむはどの器官がすぐれているから、人間の会話をまねできる?」と聞くと、喉と答える人はいません。舌が発達しているからだ、、、と答えるでしょう。ところが日本人以外の外国人(特に西洋人)にこの質問をすると、まずは「そんなことは考えたことがない」というでしょう。で、多くの人が喉?というようです。もちろん舌という人もいるでしょう。でも日本人のように「舌だけ」と考える人は少ないようです。 英語喉だけをまずマスターしてみてください。そこからです。始まりは。 え、そんな、、、いろんなやり方があっていいでしょ、、、と思われることでしょう。でもね、他のやりかたは練習法であって、厳密な意味でのメソッドではないと思いますよ。まずは正しい音をだすメソッドがあって、それを定着するために、いろんな練習法ってのはありえると思いますが、、、。練習法ってのは、例えば、野球がうまくなりたい人が素振りをするってのは、これは練習法なんです。メソッドは、バットをどのように構えて、ボールをどのように、どの角度で捕らえるか、、、、てのがメソッドです。 ちょっと基本に帰るために、いろんな音の口発音と喉発音を比べてみます。これまではLとかRとか、母音とかで違いを示してきましたが、MとかSとか、そういう簡単っぽい音でも喉発音でやると、口発音とは全く変わって聞こえますよ。 http://www.nippondream.com/blog/simplesounds.wav