菅原里奈先生「ハローボイス」をつかったメソッド ミラクルボイスメイキング」のDVDのレビューをします。先生のハローボイスのサイトは(エッセイの最後でも紹介しますが)以下の通りです。
http://www.animatojp.com/hellovoice/index.htm
私は、自分の持っているiPODに入れて見ました。実は、私はステレオ機械にそれほど詳しくないので、DVDとやらをどうやって見るのかよく把握していませんでした。iPODに入れてみたら、一つの大きなファイルで、1時間8分38秒です。だから、一挙に見ることができます。仕事で忙しいので、細切れに見れるかどうか不安でしたが、通勤で一挙に見て、それを覚えておいて、自分でレッスンをやってみるというのが私にはあっています。
iPODで動画を見るのは初めてでした。どうやって見るのかな?と思ったら、菅原里奈先生が、ちっちゃな画面に登場して、びっくりしました。ありゃ、本当に映画みたい、、、とびっくり。
第1回からレビューをしていこうと思ったんですが、感動の度合いによってレビューすることにしました。私が、最も感動したのは、このDVDの最後の「英語歌詞について」のところです。
きらきら星の英語版を、生徒さんが挑戦されるのですが、最初は、こてこての日本語発音です。ところが、ハローボイスを着用して練習して、それをはずしたとき、英語らしいパワフルな発声でそのかたが歌い始められたのです(1時間6分めぐらいです)。
生徒さんも、びっくりされていました。
私もすごくびっくりしたことがあります。そのびっくり度は、こないだ、耳の不自由な女の子が、聞こえていないと思うのに、正しい発音で発声しはじめたときの、びっくり度に似ています。
ハローボイス前の発音で、TWINKLE TWINKEL LITTLE STARのLITTLEの発音は、日本語のシラブル発音で、
り、と、る だったのです。
それからハローボイスを使って、朗読スタイルでやったら、発声がよくなり、まLITTLEもいい感じで発音できましたけど、それでもシラブル分割自体は、ややOFFでした。
リットル
みたいな感じ。ところが、歌でやったとき、全くネイティブと同じ発声プラス、正しいシラブル分割になっていたんです。
歌だと、おそらく、リズムの関係上、LITTLEがLIT-TLEと正しくしか歌えない状況になるのでしょう。そして、喉がハローボイスで開いて緩んでいるのだから、とてもいい感じのネイティブ発声になっていました。
つまり、これは、英語喉で私とジーナが主張していることです。
シラブル・3ビートの法則は、暗記の問題ではないのです。喉をだらーんとしていると、自然とシラブルも正しくなりがちなのです。
これは、本当に驚きました。歌の他の部分もいい感じの発音になっていました。
もちろん、英語には、母音のアにしても、色々あるので、それはまだ区別されていないかもしれないです(それはぜひ英語喉でやってみてください!)。しかし、それは英語だからですね。母音の数が日本語と同じイタリア語だったり、スペイン語だったりしたら、ネイティブそのものみたいになったのかもしれません。
この部分、かなり鳥肌が立ちました。
さて、その他の部分ですが、私が、感銘を受けた部分を書きます。
#1 モデルさんを相手に、菅原先生が、指導をしますが、レッスンごとには、カットなしなんです。つまり、用意ドンで、録音を始められてカメラがそのまま回ります。もちろんレッスンが変わるところでは、カットがあってから、次のが始まりますが、、。これは、私はすごいことだと思います。それは、菅原先生が、これまできっと猛烈に教えられているので、途中でカメラを止めたりする必要がないのだと思います。
#2 モデルさんの声が最初は、CHOPPYなのに、ハローボイスで艶が増して行くのが分かります。そして、どんどん、うまくなっていきます。ただし、レッスンごとに、やっぱり、ちょっと戻り気味になるんです。でも、レッスンが進むにつれ、艶がましていき、うまくなっていきます。これは感動的です。
私がこの#2で気づいたことがあります。これはたぶん、2番目に感動したことです。それは日本語とは何かということなんですが、思うに、
日本語発声を楽器に例えると、打楽器だと思いました。しかし、ネイティブ発音や、西洋人の歌い方は管楽器だと思います。
モデルさんが、最初のころは確かにハローボイスで艶がでてくるけれども、まだまだ、あくまで、打楽器的で、音が優雅にはつながりません。
でも、レッスンが、進むにつれて、音がスムーズに出るようになる。
私は最近、日本語=口発音は極端に言うと、咳発音だと言っています。咳って、こほん、こほん、って打つみたいに出てきますよね。そういう意味で打楽器的です。生徒さんの、声はDVDの最初のころは、咳的なのです。
打楽器的な発声(シラブル間が切れている感じ)から管楽器的(トランペットのように、スムーズ)に変わっていくんです。
特に、それが起こるのが、DVDの47分あたりですが、菅原先生が、あ、い、う、え、おの音を使って、「音を整える」という表現をされていますが、
あ、い、う、え、お
の音の粒が「整って」行くんです。そして、生徒さんの声が本当にきれいに、そして伸びが出てくる。
このことが、私は英語喉をやっているから分かるのかな????
菅原里奈先生のこの教える順番がいいんです。絶妙です。最初は、事実上、声に艶が出ます。でも、まだまだ、伸びがない。しかし、艶が出ない状態(喉が開いた状態)に達していないものに、「伸び」を教えようとしても無理です。
DVDのレッスンというのは、コンピュータの前に座っていないといけないのかと思っていたのですけど、iPODでとりあえず一挙に見てしまうということができるのは、いそがしめの私にはよかったです。1時間程度なので、電車に乗っているうちに、見れてしまいます。
さて、私はよっぽどのことがないと、人にこれ買ったらとか言いませんが、菅原先生のハローボイス+DVD+小冊子は薦めたい。
とりあえず、英語的な発声をしてみたいというかたに挑戦してもらいたい。
あと、私と同じところで感動するでしょうか?興味があります。
詳しくは、菅原里奈先生のこのサイトを参考にしてください。
http://www.animatojp.com/hellovoice/index.htm
あと、菅原先生はBLOGもされています。きっと、ハローボイスで練習したら、質問などに答えてくれるのではないかな~~。
私は個人的には、喉発音で練習しすぎると、咳が出だすたちなのですが、自己流はさすがにやや危険です。そのあたりのアドバイスも、先生の小冊子に載っていて、役立ちそうです。
かず先生
私もハローボイスを使っております。
iPhoneでマニュアルを電車内や休憩時に観てます。
ミックスボイスの作り方なんかホント凄いと思います・・・
私もお勧めですね!
カズ先生、こんにちは。
日本は今日は休日にして、全国的に晴天のようです。
最近、知人の音声学の専門家(英語や中国語にも精通者だと思う)に聞いたのですが、英語喉の本の理論は100%はまだ賛同できかねるが、大筋は正しいだろうとのことです。
ただし気になる問題点が1つあり、それは日本語も英語も同様に、シラブルという単位で表現していることだそうです。彼によると、英語の場合はシラブルですが、日本語の場合はモーラ(mora)と言うべきだそうです。まあ、両者とも日本語で言えば音節でしょうけどね。
一般に日本語で拍というのは、学問的にはモーラと言う専門家が多いそうですよ。
もちろん、私にはその真義は分かりませんが。
ご参考までに。
MASAさん、あのDVDのおかげで、最近言っている咳発音に関する考察を深められました。私自身、長い間、自動車通勤のときに、歌っていましたが、喉発音はできても、いかに自分がCHOPPYに歌っているかは気づきにくいです。
アキさん、
ま、モーラでもよいですけど、英語のはシラブルと呼び、日本語をモーラと呼んでいたから、違いが見えにくかったのじゃないですかね。
両方をシラブルと呼び、片方は、2ビート、片方は3ビートで、実際にどう読むかがしっかり意識できると思います。
正しいかどうか、、、という視点は私が発見していたら、ま、そういう言い方が可能ですが、ネイティブであるジーナが言っていることで、正しいも何も、それがネイティブがしていることです。
ちなみに、以前、聾者のかたと意見交換をしたのですが、そのかたは、私が耳が聞こえ、普通にしゃべれるからこそ、私には、発音の教え方は分からないとおっしゃっていました。また聾唖のかたがたの苦労も分からないので、発音を教えることはできず、まずは勉強してから出直すようにとおっしゃいました。そのときに、ちょうど、日本人学習者が、「ネイティブには英語を客観的に見ることはできない」と言っているのとまったく同じ構図になっていると感じました。もちろん、たった一人のかたのご意見ですから、だから、みんなそうだということではありませんが、知識とは何か?ということを思いました。
かず先生
こんばんは。
かず先生にとても丁寧なレビューを書いて頂き感激です。
思いおこせば、私もずっとボイストレーナーをしてきて、そろそろ声に対する自分の考え方や、発声方法、歌唱方法をまとめて発表しようかなと思っていた矢先に、かず先生の英語喉のブログとペットボトルを使った外人声養成ギブスの動画に出遭い、歌の世界で考えていた発声方法が、英語の世界と共通しているなんて!と衝撃を受けました。そしてかず先生の英語喉で説いている3ビートも音楽と同じで本当に感動モノでした。
私がその昔、ニューヨークでボイストレーニングを受けたとき、あまりにも日本で受けていた歌唱レッスン方法とポイントが違うことに気づき、またネイティブには普通にできることでも日本人だとできない発声方法にギャップを感じ、悩んだからこそ受講者に分かり易く、しかもあっという間に自分の本当の声を体感できるプログラムを作り出すことを目標としてきました。
英語の発音で悩んできた方たちの救世主が英語喉であるように、歌唱で悩んでいる方たちのへ、これからも簡単で楽しい自分の声との出会いに指南できればと思っています。
LINA先生、どうもメッセージありがとうございます。
先生の教材は、やはりニューヨークでの経験とかも関係していたのですね!なるほど、日本と全然違うということを観察され、それもヒントになったというのは、それこそが外国を経験するということであり、成果を得るということですね。
歌えるということは、本当に、楽しいことだと思います。それも、うまく歌えると、人生の楽しさが増えると思います。昨日、ふと出た私の表現で、喉だと生の周波数のどの部分もカットせずに出せるというような内容のことを言いましたが、まさにそれが喉発声による歌唱だと思います。
アメリカに、DOG WISPERERという番組があるんです(http://www.youtube.com/watch?v=S3XrKkrAZpY)
。セサールさんという犬のトレーナーさんの番組です。番組の回ごとに、問題のある犬の家にでかけていって、短期間でその問題を直してしまうんです。問題というのは、例えば、他の犬にむかって凶暴だとか、家の主をかもうとするとか。
セサールさんは、短期間で犬の問題を直してしまいます。その多くが、飼い主との権力関係において、犬のお前のほうが、家来なのだよということをきちっと教えることみたいです。
見ていると犬って本当にころっと変わるんです。
LINAさんのDVDのなかで、生徒さんが、どんどんどんどん、変わっていきますよね。あれは、本当に感動ですね!
生まれてすぐに、人間として固まってしまうというような考えがあって、もう大人になったら変われないというような感覚がありますが、色んな分野でいつでも大きな成長ができるんだということを、私も訴えていきたいし、LINA先生の歌唱指導も、きっとそういうメッセージを生徒さんに送ることができると思います。
逆に、昔、小学校のときにピアノを習っていたけど、2年ごとに発表会があっても、2年前のレベルの自分と全然変わっていないことに愕然とした思い出があります。一方で、下級生でどんどんうまくなっている人がいました。
そのときは、練習しなかった自分が悪いのだと思い込んでいたんです。
きっと、日本人は、理想的でない今の自分を見たとしたら、自分のせいにする性格の人が多い。
そのあたりを英語教育とか、歌唱教育とかで変えることができるのじゃないかと思っています。
これからもよろしく御願いします!