そりゃ、いると思うが、教え方、指導法を考えるべきだと思う。というのは、振り返ってみると、授業でやったことは、あんまり役に立っていない。これはアメリカの大学院でも同じような気がする。
今、知っている統計学のことや、データの分析方法は、授業で学んだというより、実地で、つまり大学院のときにリサーチアシスタントをしたり、就職してからとかの経験から、やりながら吸収したという感じだ。
なかでも、統計学の手法で、マルチレベルモデリングというのがあって、これを専門?みたいにしていていて、人から質問が来たりする。日本語でも、本の章を書いたことがある。
で、一応、大学院でクラスをとってやったけど、そのときはわけがわからんかった。
で、実際やってみて、初めて理解できた。特に分かったと感じたのは、統計ソフトのSASでモデルを走らせたときだ。
マルチレベルモデルを走らせるシンタックスは以下の通り
PROC MIXED;
MODEL Y=X;
RANDOM INTERCEPT ;
RUN;
ちなみに、統計のクラスで最初に習う簡単なモデル(OLS モデル) もこのように走らせることができる。
PROC MIXED;
MODEL Y=X;
RUN;
え、、、、違いは、RANDOMというところだけ?
これにはびっくりした。というのは大学院では、10週間かけて、ものすごい難しいなあ、と思いながら授業をとって、それでもよくわからないことが多かった。
でも、実際に使う場面となり、SAS言語でプログラムしてみると、RANDOMというコマンドのところが違うだけ?
PROC MIXEDというのはマルチレベルモデルを走らせることができるんだけど、RANDOMというのを使わないと、簡単なモデル、具体的にいうと、OLSモデルと同じになる。
OLSモデルってのは、まあ例えると三輪車。マルチレベルモデルは段換えつきの自転車、、、イメージ的にはね。
ポイントは、大学院のクラスとかで、あーだこーだと勉強しても分からなかったことが、実際にやってみると、ありゃ、RANDOMのところの違いだけ?ということを後で発見したこと。
授業を受ける最初のところで、それを知っていたら、苦労は100分の1ですんだと思う。
もちろん、それだけじゃないけど、結局はそういうことということを知っていたら、その他の小難しい概念などがすーと入ってきたと思う。
やっぱり学び方とか、メソッドというのはある。それを無視するのは時間の無駄だ。
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カズ先生、いつもお世話になります。
私は統計学の専門家でもなくSASも使った経験はありませんが、カズ先生が言いたい内容は分かります。昔、ある勉強の関係で通っていた統計数理研究所の鈴木義一郎先生が、「数理統計学はあくまでも統計学であって数学の一種ではない。実際に自らいろいろな統計を採る経験を積んで統計のセンスを養わなければ、いくら数学に詳しくても使い者にならない。」とか「学者が説明する内容は、いわば相撲の力士が土俵で付ける前垂らしみたいな物だ。付けていると格好がいいが、実践では何の役にも立たない。」とよく言ってました。結局、大学や大学院で教えられる内容の多くは、(統計学に限らないと思いますが)抽象化された概念を講義したり本を読ませることであり、現場の感覚からは遊離しているものが多いということでしょう。無闇矢鱈と、抽象的な概念(実際は空理空論)をもてあそんで高級な研究をしているような錯覚に陥っているのが、世の似非学者達の常のようですね。この点、日本もアメリカも同様なのでしょう。これはちょうど、英語喉発音のことを、自分で実際に行ってもみないで既存の理論理屈だけを基にして批判する人達と同類ではないでしょうか?
鈴木先生や赤池先生(AIC:情報量規準の発明者)のような日本が世界に誇る本物の統計学者は、数学的な統計の手段よりも、その内容の意味を考察することが最も大切だと考えていたようです。統計学に限らず、具体的な作業を通して、それを一般的に説明できる抽象的モデルを説明するのでなければ、本当に理解できるはずがないと思います。抽象概念から学生に説明する既存の大学・大学院の講義のやり方は、本末転倒でしょうね。おそらく、それを教える教師自身が、本当はよく理解できていないのであると思います。難しそうなことを書いたり喋っていても、それが具体的に意味する内容は何か、と聞かれると返答に窮してしまう教師は多いです。既存の英語教育理論をもてあそんでいる英語教育者もどき(実際は単なる評論家)も同じでしょう。
ところで、マルチベクトルモデルというのは、ひょっとして情報科学で言うサポートベクターマシンに近いような統計モデルですか? 日本語で書いた本というのは、何でしょうか?
SASは一般的なプログラミング言語ではないので、いずれもっと一般的な、例えばPython のような言語でコーディングされたものがあれば、私も使ってみたいですね。オライリーから、その類の本が発行されています。書名は忘れましたが。
今年もご指導の程、何卒よろしくお願い申し上げます。