箸と重力
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080328-00000013-yom-sci
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初めての宇宙ステーションで、一番楽しかった思い出は「みんなで夕ご飯を食べた時」。「私が日本食を用意して、乗組員のみんなに『はし』をプレゼントした。無重力だからつまんだものが落ちないので、みんなはしを上手に使っていた」と船内での一時のエピソードを紹介した。
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昨日、またしてもNHKを見ていたら、スペースシャトルに搭乗した日本人宇宙飛行士の土井さんが、他のメンバーとともに記者会見をしていた。
宇宙で日本食をふるまったことについて語ってらっしゃった。外国人の宇宙飛行士が(アメリカ人だと思う、、、もしそうじゃなかったら以下の議論は成り立たない可能性あり)、箸を上手に使っていることにびっくりした、、、その理由は、宇宙は無重力だから、食べ物が落ちないので、上手に使えるんだ、、、と納得した、、、ということだった。
このことで私は以下のことを思った。
重力がないからうまく使える、、、というのは彼が想像したことだろうか。実際にアメリカ人のメンバーに聞いたのだろうか。
(アメリカ人だったのだろうか?ロシア人?宇宙ステーションの中で食べたわけけだけど、誰がその中にいたのかなあ。)
実はアメリカでも箸は使われている(喉のドリルのスキットで出てくるネタです)。それは日本食の影響というよりは、中華料理の影響である。例えば、米国においては、中国からの移民が大昔からあって、辺鄙な土地でも、一つは中華料理屋があるのである。中華料理は、少なくともアメリカでは、非常にポピュラーなジャンルだ。ものすごく荒れたゲットーのコミュニティーでさえ、中華料理のテイクアウトの店がたくさんある。1990年あたりに留学したとき、大学の食堂には箸がおいてあった。
したがって、アメリカ人であれば、小さいときから箸を使っているのである。
アメリカ人にしてみれば、箸の使いかたがうまいですねえ、、、と言われるとわけがわからん状態(はあ?)になるのである。日本人にむかって、フォークの使いかたがうまいですねえ、、、と言うようなものである。
もし種子島の宇宙センターから発射されるロケットにアメリカ人一人が乗り組んだとして、日本人メンバーと一緒にスパゲティーを食ったとする。するとそのアメリカ人がアメリカのテレビで、「いや、日本人がフォークをつかっていましたよ、やっぱり重力がないから使えるんですねえ」と言っているようなものである。
思うんだけど、我々の外国経験って、あまりに典型的ではなかろうか。外国人にお土産をわたして、ちょっとした楽しいときをすごすみたいな、、、。こんなお土産をあげたら外国人に喜ばれた、、、とか。
ワシントンDCの商工会議所のサイトで、ちょっとしたエピソードを紹介するコーナーがある。こんなお土産をあげましたとか、近所の人に折り紙を教えました、、、とか。
そういうのは確かに「ちょっといい話」だと思うが、それは口で英語を喋っているから、それ以上、つっこめないために、表面的なレベルでの「小さな外交官」的なカタにとどまっているような気がしてならない。
いや、本当に喉(と3ビート)を試してほしい。世界は一家、人類は皆兄弟、、、て感じを体験できる。
最後にずれるが、今朝は、NHKで、なにか音楽のプロを目指す青年が出てきていたんだけど、お母さんが、「夢を見るのはいいけど、それで生きていけるの?」というようなことを言っていた。
で、思ったんだが、土井さんが、「夢をみつづければ、必ずかなう」と言ったとしても、お母さんが「夢は見るのもいいけど、現実を見て」と言ったときも、どっちでも結局、机についてまずは勉強しよう、、、って結論になるような気がするが、気のせいだろうか。気のせいかなあ。