最近、日本への永住帰国(28年ぶり)を考えて、色々とネット検索をしていたら、太平洋戦争が終わったことを知らずにグアムのジャングルをさまよい28年ぶりに帰国した横井正一氏の動画がどんどん推薦されるようになりました。
「恥ずかしながら帰って参りました」がその年の流行語となったそうです。
なんと謙虚な表現でしょうか。私はこの横井さんの言葉に魅了され、これこそが日本人の精神性を表す言葉だと思いました。
今の若い世代(Z世代)は、ほめられてほめられて育つと聞いたことがありますが、私が子供のころは「(近所の人に)笑われるど」とよく言われました。ですから、「恥ずかしながら」という感覚はよく分かるのです。
世界が色々大変なことを経験していますが、一人一人が、人に迷惑をかけるのは「恥ずかしい」という気持ちを持てば、平和で住みやすい世の中になるかもしれません(横井正一氏は、人に迷惑をかけたとは理解していません)。
そんな時、私は、なにげなく、地元の日本人専用のウェブサイトの「売ります、買います」のセクションに次のような広告の中に、
「恥ずかしながら」という表現を見つけたのです。
「数年前のもので古いのですが、小学校3年生から中学校1年生までの教科書が一式ございます。恥ずかしながら、あまり勉強しなかった為、ほぼ新品状態です。もしもお使いになれる方がおられましたら、是非お使いください。当方〇〇図書館の近くです。」
何と、潔い(いさぎよい)表現でしょうか!
普通は、古くなってしまったり、底に傷がついてしまった日本の炊飯器を20ドルでお譲りしますと言う時に感じてしまう感覚が「恥ずかしながらです。」
ところが、新しくて、きれいなままのものを、「恥ずかしながら」という言葉とともに譲る潔さに私は感銘を受けました。
すがすがしい気持ちになりました。