一体、いつ、英語では単語によって強く読む場所があるという「言説」が誕生したのだろう。私は、この10年のうちに誕生したのではないかという仮説を持っている。 

確かに、昔から試験では問われていた問題である。会話文をあたえられ、ある文に線が引かれる。そして、どの単語が強調されるかが問われる。 

受験生は、そういう問題は、姿を変えた読解問題だということを体験的に知っていた。実際、そういう問題を解くさいは、前後(というか前)の意味を理解したうえで、どの単語が、その文で一番大切かを考える。すると答えがでる。だが、まさか、本当に、英会話において、その単語を強く読むという発想は受験生でもなかったと思う。 

私は中学のときからいわば英語オタクだった。中1のときから、ラジオ講座を聞いていた。大学時代は、英文科だったので、音声学の教科書も読んだし、暗記もした。学部の交換留学をしたときは、言語学の授業を熱心にとった。クラブ活動でESSをやっていたから、英語を勉強している学生の中にいた。 

ところが、「文のなかに強く読む単語と弱く単語がある」という発想を一度も聞いたことがなかった。はじめて出くわしたのは、数年前、発音学習系のサイトを見たときだ。またそれをきっかけに、いくつか発音関係の本を読んだ。どれを読んでも、強く読む単語と弱く読む単語がある、、、ということだった。 

この発想は90年代、あるいは今世紀に入って、形成された言説ではなかろうか。日本に住んでいないので、昔の英語発音の教材を調べることができない。 

そういうことはある。歴史のある時点で突然新しいことが言われだす。なぜそういう言説が起こったのか、社会的要因は何か? 

こういうことを研究することもできる。知識の考古学である。 

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2 thoughts on “知識の考古学

  1. NipponDream says:

    コメントをいくつかいただきました。返事を準備しますので、少しお待ちください。

    ps

    なお、単語の機能によって音の強弱が(音程の上下とか単語の短さでなくあくまでも音の強弱、つまりVOLUME)、SYSTEMATICに、また人間の耳で聞いて分かるレベルで、異なっているという証拠の動画がありましたら、お知らせください(YOUTUBEが良いと思います)。SYSTEMATICなものをお願いします。 

  2. 牧野武彦 says:

    KAZさん、お久しぶり。
    訳の分からない独り言ばかり書いているこのブログの中でも、この記事は特にお粗末ですね。
    KAZさんが本当に音声学の本を学生時代に読んだのなら、英語に強弱があるということはちゃんと書いてあったはずです。書いてなかったとKAZさんが思うのだとしたら、よほど粗末な教科書だったか、KAZさんの読み方がよほど不注意だったかでしょう。
    そして、過去10年の間にそういう考えが生まれた、という推測に関しては、もう笑うしかありません。KAZさんが中高生の頃、そういう試験問題に全く出会わなかったのですか?それはそれで運がいいことだったのかも知れませんが、昔からその手の問題は出題されていました。
    そして何よりも、そういう考え方が日本で生まれたかのような推測を、恐らくは英米の音声学書を全く参照せずにおこなっているのだから、本当に話にもなりません。
    Daniel Jones, An Outline of English Phonetics
    J. S. Kenyon, American Pronunciation
    この2冊は20世紀初頭に出て中盤まで版を重ねた本ですが、どちらも英語の音の強弱についてしっかり書いてありますよ。
    最近の本なら
    A. Cruttenden, Intonation
    E. Couper-Kuhlen, An Introduction to English Prosody
    とか、
    最新の
    John Wells, English Intonation: An Introduction
    あたりを見てみることです。
    そんなこといちいち考えていたら発音できないとか言わないでくださいね。こういう記述は、ネイティブが無意識に(自動的に)やっていることを観察して記述したものなのですから。学習者の目標も、ある程度自動的にそういうことができるようになるまで体得することです。
    では、またいつか。

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