オバマ大統領が広島を訪れ、平和公園にて演説をしました。広島県人としては、感動的な瞬間でありました。その様子を見ていると、観客の人が通訳さんの声をヘッドフォンで聞いていました。
その通訳さんの日本語は棒読みで、オバマさんの心が本当に広島県人および日本人に伝わっているのか不安になりました。ネット上ではネット右翼の皆さんが、DISっています。
通訳の関係上、オバマさんの心が伝わっていないのではないかと不安に思えました。
そこで、時間はあまりかけられなかったのですが、私自身でオバマさんの演説を広島弁に同時通訳して公開しました。もしよろしれば聞いてみてください。
広島弁は短い表現が多いので、英語の単語が発せられた瞬間に、その単語を合わせやすいのです。標準語では「しません」と4拍分、時間がかかるところを、広島弁では「せん」の一拍ですみます。プラス、英語では音色に感情をこめるのですが、広島弁でも同じです。
うまくできないてないところもありますが、このオバマ氏の演説を広島弁で聞けば、米国があやまっているのか、いないのかという問題設定は無意味に思えてくると思います。
オバマさんは心の底から、この演説をしているのだと思います。
私も映像で見ていて、Kazさんと同じことを心配しました。
同時通訳というのは、基本的には言った事の『内容だけ』を正確に伝える仕事です。特に、政治家の通訳をするときは、何を言ったとか、言わなかったとか、そういう事が後で問題になったりするので、通訳者が自分の解釈であいまいな意訳をしたりする事が許されません。なので結局、こういうスピーチを通訳すると、感情を殺して、文字で読んだような内容を、ぶつ切りで淡々と訳していくしかありません。
その場にいた人達も含めて、ほとんどの日本人は、本当の意味でオバマさんのスピーチを聞いたのではなく、あくまで通訳者の事務的な声で、制限された翻訳を聞いたに過ぎないのです。
「そんな事に意味があるのかな?」と思いました。そこには『感情』が含まれていないからです。
同じ翻訳だとしても、スピーチの後に、翻訳家が、意訳を含めてじっくりと翻訳したものを、声優が、オバマさんの声を聴いてから、できるだけその感情を再現する様に意識して演じて吹き替えをすれば、聞いた人の印象は全く違うものになると思います。でも、実際にそこまで丁寧な翻訳音声が作られることは滅多にありません。
とにかく、映像の中で、じっと聞いている人達を見ながら、「残念だけど、この人たちは本当の意味で聞いているわけではないんだよな」と思って、空しい気持ちになりました。
私もその一人です。今の私には、文字で読んでも少ししかわかりません。
深く心を通じ合わせようと思ったら、やっぱり、お互いの言語を理解する必要があると思います。『お互いが』です。日本人が外国語を学ぶ事も、そして外国人が日本語を学ぶ事も、同じぐらい必要です。決して、どちらかが一方的に学ばなければいけないという事ではありません。
と言っても、現実的には、それは難しいでしょう。仮に言語の壁を乗り越えたとしても、文化や立場の違いを克服する事はできないからです。
だからこそ、両者の思いのすれ違いは、これからも永遠に続くのでしょう。
それが、空しくなりました。
通訳、ありがとうございます。 私は訳をニュースサイトで読んでいましたが 読んだだけの時よりより一層心が伝わってきました。 今日、ニュースでは広島の小倉桂子さんという方をご紹介されていました。元原爆資料館館長をしていらした方の奥様でご自身も幼少の時被爆。今は原爆についての講演を英語でしていらっしゃるそうです。この方もさすが広島県人、とても英語がお上手でした。Kaz先生にご紹介したくYoutubeで動画を探したのですが見つけられませんでした。残念です。
https://www.youtube.com/watch?v=uW8dexXvewU
探してみました。たぶんこの方じゃないですか?
ありがとうございます。そうだと思います。お年を、推測するときっともう80才近い方ですよね。英語も素晴らしいですけれど活動されている内容も素晴らしいと思いました。
この方の英語は非常に良いですね。非常に貴重はものを紹介してくださり@kyoko1、また見つけていただき@lister、ありがとうございました。